電子契約導入:スモールスタートのすすめ | 電子契約

電子契約導入:スモールスタートのすすめ | 電子契約

日鉄ソリューションズ株式会社
斎木康二

スモールスタートのすすめ

弊社では、電子契約導入のご検討をされているお客様に対し、まず「小さく早く、スモールスタート」し、次に「大きく育てる」ことをお勧めしています。今回は、なぜ「スモールスタート」をお勧めするのか、さらに「大きく育てる」ためのポイントなどをご紹介していきます。

電子契約導入はステップバイステップだ。まず「小さく、早く」導入し、実績をつみ知見をふやしてから「大きく育てる」ことが大切なんだ。

スモールスタートの事例

最初に事例からスモールスタートのイメージを理解していただきます。

これから述べるのは、様々な電子契約導入事例をもとに抽出した最も一般的な電子契約のスモールスタートの想定事例です。この事例では、当初は「印紙税節税」目的でスモールスタートしましたお客様が、3年目には「ペーパレスによる業務効率向上」「契約管理/コンプライアンス強化」など新たな目的を追加し、「大きく育って」います。

導入初年度

【目的:印紙税節減】

導入初年度は「印紙税節減」を目的にしました。電子契約にはこれ以外にも様々なメリットがあるのですが、ROIが大きく確実で、社内説明が通りやすい「印紙税節減」を初年度の目標にしました。

【取引先:100%子会社に限定】

取引先を100%子会社に限定しました。その理由は、初めての電子契約にあたっては訴訟リスクの低い子会社との契約であれば安心であること、また請負契約は一般的に受注側が注文請書に印紙をはることが多いので、100%子会社ならば連結決算上で印紙税節減効果を享受できることの2点です。

【対象契約:請負契約】

「印紙税節減」を目的とした以上、課税文書である請負契約書だけを対象としました。

【対象文書:注文書、注文請書】

契約にあたり見積依頼から請求まで様々な取引文書(国税書類)を取り交わしますが、 まずは「印紙税節減」にフォーカスし、注文書・注文請書のみ電子化しました。

【カスタマイズ:購買システム連携】

購買システムから出力される注文書(PDF)とその検索属性(CSV)を電子契約サービスに渡す最低限のカスタマイズを実施しました。

印紙税節減はROIがはっきりしていて社内説明がしやすいから、電子契約のとっかかりには最適ね。

導入3年目

【目的:「ペーパレスによる業務効率向上」「契約管理/コンプライアンス強化」「印紙税節減」】

電子契約の利用経験から、押印・封入などの紙作業をなくすことが非常に大きな業務効率化効果を生むこと、電子契約によりすべての契約が「見える化」され、契約文書のヌケ・モレがなくなることがコンプライアンス強化につながることを理解し、「ペーパレスによる業務効率向上」「契約管理/コンプライアンス強化」が主目的で「印紙税節減」はむしろ付帯目的となりました。

【取引先:子会社および一般取引先の30%】

実績をつみ、システムの安定性や法的効力に自信を得たことから、社外取引先に対し、電子契約説明会を開催し、順次導入を開始しました。

【対象契約:請負契約、準委任契約、派遣契約】

「電子契約は便利だ」という理由で、従来の「請負契約」に加え、印紙税効果のない「準委任契約」や「派遣契約」にも適用範囲を拡大しました。

【対象文書:見積書、注文書、注文請書、業務完了報告書、検収書、請求書】

当初注文書と注文請書だけであった電子化対象文書を見積~請求書まですべてに適用することで、大幅な業務効率化を実現しました。

【カスタマイズ】

より一層の効率化をはかるため、発注・検収・請求の決済ワークフローと電子契約を連携しました。例えば今までの発注決済ワークフローでは、決済は電子化できるけれど、発注処理は別作業として紙に押印し郵送しなければなりませんでしたが、ワークフローと電子契約の連携により、ワークフローで決済されると、自動的に電子契約がおこなわれるようになりました。

3年目になると、「取引先」・「対象契約」・「対象文書」が増え、利用目的も「印紙税削減」に加え、「業務効率向上」や「契約管理」などが登場してくるんだ。

スモールスタートのメリット

上記想定事例のように、まず「スモールスタート」をし、次に「大きく育てる」ことを弊社がおすすめするのは、以下4つのメリットがあるからです。

1. 導入リードタイムが少なく、早くスタートできる。

対象範囲を大きくすると、検討に時間がかかります。最初は「印紙税削減」などROIの明確な部分に限定して早くスタートし、効果を確認することで、その後の展開も容易になります。

2. 法令対応の確認

訴訟リスクの少ない子会社や関係の深い取引先に限って電子契約を利用開始することで、安心してスタートできます。

3. 電子証明書・電子署名・タイムスタンプなど新技術に慣れる

電子証明書など新技術の取り扱いに、導入部門が苦労することが多くあります。特に自社はまだしも取引先に利用していただくには、ある程度の知見を自社でまず担保する必要があります。

4. 実績をふまえたカスタマイズ検討ができる

電子契約の実績をつみ知見をたくわえることで、本当に効果のあるカスタマイズを最小限おこなうことができます。

まず、子会社などとの取引で、法令対応や電子署名・タイムスタンプなどの新技術に対し十分な知識をもつことが大切なのね。

大きくのばすポイント

スモールスタートで電子契約の効果、安全性が確認できたら、いよいよ利用範囲を拡大し、より一層の導入効果を享受します。大きくのばすには3つのポイントをおさえることが肝心です。

1. 導入目的の拡大

電子契約導入の目的は一般的に大きく3つに分類されます。

「印紙税・郵送費などのコスト削減」「ペーパレスによる業務効率化」「見える化によるコンプライアンス向上」

当初ひとつの目的でスモールスタートした場合も、他の目的をとりこんでいくことにより利用範囲を拡大します。

2. 3方向(取引先、対象契約、対象文書)の拡大

対象取引先、対象契約(請負、準委任、派遣、物品売買、各種基本契約・・)、対象文書(見積書、注文書、注文請書、納品書、検収書、請求書・・)など3方向に拡大することが一般的です。

3. カスタマイズの実施

購買システム連携、各種ワークフロー連携で一層利用効率は向上します。

利用を増やすには、注文/検収/請求決裁ワークフローと電子契約を連携するカスタマイズを行うことも大変に有効な手段なんだ。

弊社がお手伝いできること

弊社の電子契約コンサルタントは、様々なお客様への電子契約サービス提供を通じて、様々な利用目的、利用方法、カスタマイズ例の知見を有しています。この知見をセミナー/コンサルサービスの中でお客様と共有することで、「スモールスタート」と「大きく育てる」をお手伝いいたします。


電子契約導入のための20のヒント : 目次

1. 法令

1.1 電子帳簿保存法 : 電子契約で税務調査に対応できるのか?
1.2 電子帳簿保存法 : 電子契約と書面契約の混在に問題はないのか?
1.3 電子帳簿保存法 : スキャナ保存と電子契約
1.4 電子署名法 : 注文書や注文請書を本当に電子化して大丈夫か?
1.5 電子署名法 : 電子署名の証拠力
1.6 印紙税法 : 電子契約の場合、本当に印紙税を払わなくてよいのか?
1.7 下請法 : 下請法対応に関する注意点
1.8 建設業法 : 建設請負契約の電子化について

2. 技術

2.1 電子署名 : 電子署名・署名検証の作業イメージは?
2.2 電子署名 : 電子署名のしくみとはたらき
2.3 電子署名 : 電子証明書を選択する5つのチェックポイント
2.4 電子署名 : 長期署名について~10年を超える契約への対応~
2.5 タイムスタンプ : タイムスタンプの効果としくみ
2.6 EDI : 電子契約とEDIは何が違うのか?

3. 運用

3.1 導入目的 (ROI・購買プロセスの見える化) : 電子契約導入のためのROI算出方法
3.2 導入目的 (ROI・購買プロセスの見える化) : 電子契約による購買プロセスの見える化
3.3 機能 (契約書管理・カスタマイズ) : 電子契約の導入で契約書管理を劇的に改善
3.4 機能 (契約書管理・カスタマイズ) : 電子契約導入時に効果的なカスタマイズのご紹介
3.5 手順 (スモールスタート・取引先説明) : スモールスタートのすすめ
3.6 手順 (スモールスタート・取引先説明) : 取引先に参加してもらうにはどう説明すればいい?)

電子契約導入のための20のヒント
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