電子契約による購買プロセスの見える化 | 電子契約

電子契約による購買プロセスの見える化 | 電子契約

日鉄ソリューションズ株式会社
斎木康二

購買プロセスの見える化

よく言われる電子契約導入目的のひとつに「購買プロセスの見える化」があります。

「購買プロセスの見える化」の実現は、「契約管理/コンプライアンス強化」や「購買強化によるコストダウン」の実現に直結する話なので、どの企業も強い関心をもっています。

今回は電子契約を導入するとどうして購買プロセスが見える化できるのか?その効果などについて考えてみます。

書面による購買業務の問題点

上場クラスの企業では通常全国に複数の支店や工場をもち、各拠点で様々な物品・サービスの購買業務を行っています。すべて本店で集中購買を行っている企業はまだまだ少なく、ほとんどの企業では本店での集中購買と各拠点での分散購買が共存しているのが実情です。

この購買業務が書面を媒体に行われる場合、購買情報が全社タイムリーに共有化されることは難しく、そこから様々な問題が生じています。

<書面契約による購買業務の問題例>

  • 同一商品やサービスを拠点毎に異なる価格で買っている
  • まとめ買いできるはずの商品を拠点毎に小ロット、高コストで買っている
  • 本社で発注したが、支店での受入、検収情報がタイムリーに本社に伝わらない
  • 請書、納品書、検収書など証憑にヌケ・モレが生じ、本社ではなかなかチェックできない
  • 発注、督促、受入、検収など購買作業がまとめてできない。時間がかかる

書面による取引では、タイムリーな情報共有がむずかしい。そこからいろいろな問題が生じているんだ。

電子契約導入による購買環境の改善

電子契約の導入により、購買業務の環境は大幅に改善されます。たとえば以下のようなポイントで書面を媒体にした場合と大きな違いが生じてきます。

1. 拠点間の情報共有

本社購買、各拠点購買のすべての取引が電子契約サーバ上で行われるので、電子契約サーバ上で検索をすることにより、容易に購買先、価格、納期などの取引情報を本社、各拠点間での共有できるようになります。書面で取引を行った場合、情報の共有は容易ではありません。

2. 情報認識のリアルタイム性

見積書から請求書にいたるすべての証憑が相手方に送付されたタイミング、つまり電子契約サーバにアップロードされたその時に、リアルタイムに共有されます。例えば支店が取引先から受け取った見積書も、本店が取引先に送付した注文書についても、送付したそのタイミングで本社も支店も認識できます。

3. 過去の取引情報を簡単に検索できる

取引情報が契約文書を含めすべて電子契約サーバ上に蓄積されるため、他拠点を含めた取引情報が金額、納期、契約条件を含めすべて簡単に検索できるようになります。

4. 取引速度の向上

書面取引では、郵送期間が必要なので、例えば注文書を送付してから注文請書を受領するまでのリードタイムを少なくとも1週間みておく必要がありました。電子契約では注文書・注文請書については送付後即時に到着するので、リードタイムを大幅に省略できます。

5. 取引文書のヌケ・モレをなくす

書面契約では、どうしても契約文書の管理を人が行うので、「注文書に必要な開発体制表がついていない」とか「請求書を受領したが、注文請書をもらっていない」といった購買関連文書、証憑類のヌケ・モレがありました。電子契約を利用すると、注文書を送付する場合に社内規則上必要な添付文書がなければ送付できないといった内部統制を組み込むことで、ヌケ・モレを完全にゼロにすることができます。

購買業務たけでも、随分と「見える化」の効果が期待できるのね。これ以外にも販売、生産、法務、税務など様々な業務でいろいろなメリットが期待できそうね。

契約の見える化による購買力強化

以上のような特性をもつ電子契約を購買業務に導入することにより、企業の購買力は確実に強化できます。具体的なポイントとしては、取引情報の共有、「見える化」による調達のコストダウンと、購買業務自体をスピーディに手間をかけずに低コストで行うことによる購買業務の効率化・コストダウンなどがあげられます。

【調達のコストダウン】

電子契約の導入により、あらゆる取引情報が、本社、地方拠点を含む「全社」で、文書送付と同時の「リアルタイム」で、契約文書・添付文書などを含めた「原本」で、「見える化」できるようになります。この豊富で最新の情報をもとに、取引先に対し優位に価格交渉を行えるため、調達のコストダウンを強力にバックアップします。

【購買業務の効率化・コストダウン】

電子契約の導入により、いままで手間や時間のかかった「見積書」~「請求書」まで手作業、紙作業をすべて排除できます。また、切手、印紙、封筒、紙など量が多くなると高額になる物品も不要になります。

購買は情報戦だ。電子契約による「見える化」は優位な価格交渉に直結するんだ。

契約の見える化による契約管理/コンプライアンス強化

また、電子契約により購買力が強化される一方で、コンプライアンスも強化されます。

電子契約を広範囲に導入することで、全社のあらゆる取引について、取引先ととりかわされたさまざまな契約書、証憑類をリアルタイムに「見える化」、共有できるようになります。「見える化」はコンプライアンス強化に直結します。例えば、証憑類や内部統制上必要な添付文書のヌケ・モレ防止、社内手続きの順守、不正の防止などに劇的な効果をもたらします。

コンプライアンス強化を主目的に電子契約を導入する企業が実はすごく多いんですって。


電子契約導入のための20のヒント : 目次

1. 法令

1.1 電子帳簿保存法 : 電子契約で税務調査に対応できるのか?
1.2 電子帳簿保存法 : 電子契約と書面契約の混在に問題はないのか?
1.3 電子帳簿保存法 : スキャナ保存と電子契約
1.4 電子署名法 : 注文書や注文請書を本当に電子化して大丈夫か?
1.5 電子署名法 : 電子署名の証拠力
1.6 印紙税法 : 電子契約の場合、本当に印紙税を払わなくてよいのか?
1.7 下請法 : 下請法対応に関する注意点
1.8 建設業法 : 建設請負契約の電子化について

2. 技術

2.1 電子署名 : 電子署名・署名検証の作業イメージは?
2.2 電子署名 : 電子署名のしくみとはたらき
2.3 電子署名 : 電子証明書を選択する5つのチェックポイント
2.4 電子署名 : 長期署名について~10年を超える契約への対応~
2.5 タイムスタンプ : タイムスタンプの効果としくみ
2.6 EDI : 電子契約とEDIは何が違うのか?

3. 運用

3.1 導入目的 (ROI・購買プロセスの見える化) : 電子契約導入のためのROI算出方法
3.2 導入目的 (ROI・購買プロセスの見える化) : 電子契約による購買プロセスの見える化
3.3 機能 (契約書管理・カスタマイズ) : 電子契約の導入で契約書管理を劇的に改善
3.4 機能 (契約書管理・カスタマイズ) : 電子契約導入時に効果的なカスタマイズのご紹介
3.5 手順 (スモールスタート・取引先説明) : スモールスタートのすすめ
3.6 手順 (スモールスタート・取引先説明) : 取引先に参加してもらうにはどう説明すればいい?)

電子契約導入のための20のヒント
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