AWSへの移行は、多くのメリットがありますが、移行計画を正確かつ効率的に実行するために、7Rというフレームワークが大切とされています。以下では、その7Rについて詳しく解説します。
オンプレミスで稼働していたVMwareなどの仮想環境を、VMware Cloud on AWSに移行します。既存のアプリケーション・データベースには一切変更を加えずに、移行する方法です。 移行時間を最小化し、ハードウェアの老朽化対応から解放されますが、既存システムの複雑性などはそのまま継承してしまいます。
リホストは、既存のアプリケーションをAWS上で実行する移行方法です。クラウドの拡張性や可用性を享受できますが、既存システムの複雑性などはそのまま継承してしまいます。
リプラットフォームは、部分的にアプリケーションやデータベースを変更してクラウドベースのサービスに移行する方法です。クラウドの拡張性や可用性を享受でき、移行完了後には運用や保守のコスト低減につながりますが、反面、移行コストやテスト工数は比較的増加していく傾向があります。
リファクタは、アプリケーションをクラウドに最適化するために、アプリケーションの一部または全体を再設計して移行する方法です。この方法により、アプリケーションのクラウド向けのアーキテクチャを設計することができ、スケーラビリティ、俊敏性などのクラウドの利点を最大限に活用できます。サーバレスなどを活用することで、サーバレイヤの運用から解放されますが、移行コストや手数と工数は増加します。
リパーチェスは、既存のアプリケーションを別のSaaSに移行する方法です。
リテインは、ビジネス上もしくは技術的にAWSに移行できないシステムやアプリケーションを保持し続けることを指します。
リタイアは、不要と判断した古いシステムを処分することを指します。
7Rフレームワークは、AWSへの移行計画において様々なメリットを提供することができます。どの方式を採用するかは、企業のニーズによって異なります。情報収集と適切な分析を行って、最適な移行方法を選択することが極めて重要です。