オンプレミスからAWSへの移行について

2023.06.27
マルチクラウド 基礎 AWS クラウド活用 クラウド移行
オンプレミスからAWSへの移行について

オンプレミスのシステムからAWSに移行することで、ビジネスの効率性や柔軟性を高めることができます。本記事では、オンプレミスからAWSへの移行を検討する際に、考慮すべきポイントや手順などについて解説します。

1. オンプレミスとAWSの違いについて

オンプレミスのシステムは、企業が自社内でサーバーを所有し、メンテナンスや管理を行うものです。一方、AWSは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスで、必要なサービスをオンデマンドで利用することができます。オンプレミスと比較すると、AWSの最大のメリットは、柔軟性に優れている点です。AWSには、多くのサービスが用意されており、利用することで、サービスの拡張や縮小、バックアップの自動化やセキュリティ対策などを実現することができます。

2. AWS移行のメリットについて

オンプレミスからAWSへの移行によって、以下のようなメリットが得られます。

  • AWSは、必要なタイミングで必要なリソースを追加できる柔軟性に優れたクラウドサービスであるため、スケーラビリティに優れます。
  • AWSはクラウドプラットフォームであるため、オンプレミスから移行することで、モバイルに対応するコンポーネントを追加する等の柔軟な開発プロセスを実現することができます。

3. 移行前の準備について

AWSへの移行に備えるためには、以下の項目を確認し、対応策を立てておくことが必要です。

  • 移行したいシステムの全体像やアーキテクチャについて詳しく把握する。
  • 移行時に必要なリソースの評価を行う。
  • 移行したいシステムとの依存関係を特定し、移行に必要な調整を考える。

その他、アセスメントなどで現行システムのクラウド適合性の調査や移行するシステム仕分けを実施し、クラウド移行に関するノックアウトファクターがあるシステムがないか、等を確認する必要があります。

4. AWS移行における重要なポイントについて

AWSへの移行において、以下の点に留意する必要があります。

  • 移行する前に、移行に必要なリソースと移行後の費用対効果を確認する。
  • AWSを構成する様々なサービスを利用して、オンプレミスのシステムを移行する場合、AWSの関連サービスを利用したシステム全体の構成の変更や再設計を行うことが必要です。
  • AWSへの移行時には、システムテストが必要です。移行前テスト、移行後テスト、および利用者はテストプロセスの一部として正常にテストシナリオを流すことが必要です。

5. AWSの代表的なサービスについて

AWSには、以下のようなサービスがあります。

  • Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)- 仮想企業システムを提供するサービス。サーバーセットアップが簡単で、スケールも柔軟に対応可能です。
  • Amazon Simple Storage Service(S3)- 大容量オブジェクトストレージサービス。必要なときに必要な容量を利用できます。
  • Amazon Relational Database Service(RDS)- リレーショナルデータベース管理システムサービス。データベースの簡単なセットアップ、更新、バックアップに対応できます。

6. AWS移行の注意点について

AWSへの移行において、注意すべき点は以下のとおりです。

  • 一度にすべてのシステムをAWSに移行しないことをおすすめします。まずは、移行できる簡単なシステムから移行を開始することをおすすめします。
  • AWSへの移行後は、システム監視、セキュリティ更新、バックアップなどの運用作業を必ず行うようにしてください。
  • AWSのマネージドサービスやEC2に導入するOSや各種ソフトウェアのバージョンの更新、緊急メンテナンスのタイミングに関してはAWS側に合わせる必要が出てくることがあります。
  • AWSに対応するための技術不足がある場合には、AWSパートナー企業などの支援を利用することをおすすめします。

7. AWS移行の失敗例について

予想外の問題が発生し、失敗することもあります。AWS移行の失敗例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 移行前のリソース評価不足によって、移行後のコストが予想を上回る場合。
  • 移行中に発生した問題に対応できなかった場合。
  • 予想していなかったシステム障害が発生した場合。

8. AWS移行後の運用について

AWS移行後も、継続的に監視・管理を行い、セキュリティアップデートや運用に必要な管理を行っていく必要があります。AWSでは、各種ツールやサービスを提供しているため、十分なリソースとサポートを利用し、最適な運用を目指しましょう。

9. AWS移行における費用対効果について

AWS移行にかかる費用は、移行するシステムの規模や複雑さによって異なります。AWS移行に関する費用は、以下のようなものが想定されます。

  • AWSへの移行費用
  • 移行に伴う初期投資費用
  • セキュリティ対策費用
  • システム運用費用

ただし、AWSへの移行によって、次のようなコスト削減効果が期待できます。

  • オンプレミス環境のメンテナンスコストの削減
  • AWSが提供する自動バックアップやセキュリティ更新などのコスト削減効果。

10. 今後のAWSの動向や注目すべきポイントについて

AWSは、新しいサービスや機能をどんどんリリースしています。このため、今後もさらなる進化が予想されます。AWSの動向や注目すべきポイントの例を以下に挙げます。

  • サーバレス技術の拡大
  • オープンソースプロジェクトへの参加
  • コンテナ関連サービスの開発
  • セキュリティに対する改善

以上が、オンプレミスからAWSへの移行についての解説です。AWSへの移行は、ビジネスの効率向上に大きく寄与することができます。ただし、計画的に移行作業を進め、適切な時期を選んで実行する必要があります。

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日鉄ソリューションズ株式会社のシステム研究開発センター(シス研)に所属する原です。普段はクラウドネイティブにおける開発・運用技術の研究開発をしています。今回から複数回にわたり、クラウドネイティブの基礎や、クラウドネイティブを推進する上で重要な機能であるオブザーバビリティという概念について幅広く発信していきたいと思います。第1回目はクラウドネイティブが生まれた背景およびクラウドネイティブとは何か?について解説をしていきます。