皆さん、こんにちは。五味 なぎさです。パブクラ移行をテーマにしている本シリーズ、前回はAWS移行のステップの全体像と、各ステップで役立つサービスをまとめてご紹介しました。まだ前回のブログを読まれていない方はぜひ、こちらをご覧ください。
さて前回のブログでは、AWS移行における“Migrate&Modernize(移行&モダナイズ)”ステップで役立つサービス全5種類について触れていますが、今回はその中から下記(1)と(2)について、利用シーンやコストなどを解説していきたいと思います。
「サービス名は知っているけど実際に使用したことは無い」という方もいらっしゃると思うので、ぜひ利用イメージを具体化するご参考になればと思います。
*AWS Application Migration Serviceの省略されたサービス名はAWS MGNです。「MGN」は「migration」(移行)という単語の略称です。
オンプレミスや他クラウドにある物理サーバ、仮想マシンをできるだけそのままAWS環境に移行したいケースに向いています。AWS内で他環境に移行するケース(AWSアカウントやVPCの統廃合など)にも適します。
レプリケーションテンプレート
起動テンプレート
起動後テンプレート
「利用の流れ」の1~6と環境のマッピングは以下の通りです。
※上記はインターネット経由の構成を示した図です。閉域経由の場合は以下が参考になります。
移行対象のソースサーバ1台につき2,160時間(連続して利用した場合は90日間)まで無料で利用できるため、無料の範囲内で対応が完了するケースが多いです。無料範囲を超えた場合、1時間当たり0.042USD/サーバの課金が発生します。
※レプリケーションサーバやテストサーバなど、作業途中で起動されるリソースの使用料は別途発生します。
DBデータ連携を支援するツールで、オンプレミスからのデータ移行にも利用可能です。異種データベース間での移行にも対応しています。仕組みとしては論理レプリケーションとなり、ソースデータベースで作成されたトランザクションログファイルからDMLを作成し、ターゲットとなるデータベースに適用する形になります。
DMSは移行だけでなくデータ連携全般に利用されるツールですが、今回はオンプレミスからのデータ移行を想定した場合の利用の流れをご説明します。
「利用の流れ」の1~7と環境のマッピングは以下の通りです。
Replication InstanceとしてSingle-AZ dms.t2.microインスタンス(50GB)を利用する場合は750時間まで無料で利用できます。それ以外のケースではReplication Instanceのタイプと稼働時間により料金が決まります。また、ターゲットがReplication Instanceとは別のAZやリージョン、AWS以外のデータベースとなるケースでは別途データ転送料金がかかります。
参考:料金 - AWS Database Migration Service |AWS
いかがでしたでしょうか?今回は「Migrate&Modernize(移行&モダナイズ)ステップ」で活用できるツールのうち、AWS Application Migration Service(MGN)およびAWS Database Migration Service(DMS)について解説してきました。次回は、後編としてAWS Storage Gateway、AWS DataSync、AWS Snow Familyについて解説予定です。
いずれも、ツールの使い方自体は直感的で分かりやすく、実際やってみると必要な環境構成自体もそこまで複雑なものではありませんでした。ただ、実際本番稼働中の環境で利用する際には上述の注意事項を中心に考慮するポイントが多々ありますので、事前に検証を十分に行った上で利用されることをお勧めします。
なお、当社ではAWS包括的技術支援サービスを提供しています。AWSへの移行でお悩み等ございましたら、ぜひ本サービスもご活用ください。その他、AWSをはじめマルチクラウド化に関するご相談全般はこちらからお気軽にお声がけください!それでは、また次回もお楽しみにお待ちください!