開発環境のお悩み解消!最適な環境を提供する「DaaS」という選択肢

開発環境のお悩み解消!最適な環境を提供する「DaaS」という選択肢

アプリケーション開発などを行う開発環境において様々な悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。開発環境の利用には、端末の手配やセキュリティ、環境の管理など考えることが数多くあります。特に近年は半導体不足の情勢から端末の調達が難しくなっていますし、リモートワークを推進するにあたって端末の配布方法の検討が必要となっています。
そこで本記事では、開発用端末の手配から管理までの課題を一気に解消するDaaSという選択肢をご紹介します。DaaSとはクラウド上に用意した仮想デスクトップをユーザに提供するサービスです。開発用端末をクラウド上で稼働させることで、物理端末の調達が必要なくなり、設定も一括で行うことができるため負荷を軽減させることができます。接続元端末の性能にもほとんど依存しないため、シンクライアント端末や私用端末からも利用することが可能です。

本記事では、開発環境における「開発用端末の手配・管理」という問題点、それを解消するDaaSの特性と開発環境への親和性について詳しく述べていきます。

1. 開発環境の管理者を悩ませる「開発用端末の手配・管理」

プロジェクトの実施に伴う開発用端末の手配や管理において、管理者から以下の3つの悩みをよく聞きます。

①リードタイムの短縮
②端末の設定の効率化
③端末管理の手間が増加

以下にて、DaaSが3つの悩みをどう解消するかご紹介したいと思います。

①「リードタイムの短縮」

プロジェクトをスムーズに進める上で、開発用端末の開発者への迅速な配布は至上命題です。
しかし、必要スペックの確認や納期の調整、端末のセットアップ、配送先の手続きなど、リードタイムが増大する作業がたくさんあり、なかなかリードタイムを短縮することができないのが現状だと思います。特に大規模プロジェクトの場合は大量のFATPCの準備が必要であり、一層時間がかかりますよね。

開発用端末をDaaSで提供する場合、準備にかかるリードタイムが大幅に短縮されます。必要スペックの確認については、後からでも柔軟にスペック変更ができるため、精緻に調査せずに取り急ぎ環境を払い出すことも可能です。当然、物理的な端末を新たに用意する必要がありませんので、機材の納期や端末のセットアップも不要になり、リードタイムを大幅に減らせます。

また、視点は外れますが、開発者の中にはキーボードの配置やキーボードの感触にこだわる方、Macを使いたいという方も多くいらっしゃいます。DaaSであれば自身が日々利用している端末で開発の仕事ができるため、そうした側面にも好評を頂いたりします。(ちなみに、MacでのDaaS利用も可能です。)

開発環境提供におけるDaaSとFATPCのリードタイムにおける違い

FATPC DaaS
必要スペックの確認 △ 細かく確認が必要 〇 提供後も柔軟に調整可能
機材納期の調整 △ ベンダーとの調整が必要
端末のセットアップ
配送先の手配 △ 物理的な配送 〇 メールで連絡

②端末の設定の効率化

地味に大変なのが、端末の設定(セットアップ)です。
OSのパッチ適用、Officeや端末管理ツールのインストール、開発環境の要望に合わせたアプリケーションのインストールなどに加え、ライセンスの管理や権限設定などの周辺業務もあるので、非常に手間のかかる作業となります。なお、最近では外部の専門会社に委託するケースも多くなっています。大量の端末設定が発生する場合は効果的ですが、小規模の場合などは指示書の作成やコストを考えると、安易に外部委託することはなかなか難しいのではないでしょうか?

DaaSでは、仮想デスクトップのテンプレートを作成し、それをコピーすることで簡単にデスクトップを何十台も量産することが可能です。DaaSにはプール型と個別型という仕組みがありますが、まったく同じ開発環境を提供したい場合はプール型がお勧めです。パッチ適用やアプリケーションのアップデートなどを一括管理できるので、管理者の手間を最小化できます。

プール型仮想デスクトップのイメージ

③端末管理の手間が増加

開発用端末は配布して終わりではありません。
配布した後の端末のパッチ適用や回収まで作業としては含みます。特に昨今はサイバー攻撃や開発情報の漏洩など、セキュリティ対策にも注意を払わないといけないので、配布後の管理も重要な作業になってきています。加えて、アジャイル開発をはじめとした開発手法の多様化やコロナ禍におけるリモートワークでの開発の増加などにより、端末管理が以前より手間のかかる作業になってきている実感があります。
DaaSではBYOD含め、すでに持っている端末を使うこともできるため、委託先の開発会社などでは自前の端末を利用してもらうことが可能であり、物理的な端末を管理する必要がなくなります。また、セキュリティ対策についても、物理端末とのデータのやりとりなどを細かく制御できるため、強化することができます。

外部委託先の開発会社でのDaaSの利用イメージ

2. まとめ

開発用端末にDaaSを用いることで、開発用端末の手配・管理における3つの悩みを解決することをご説明してきました。
今回は開発用端末の話を中心にご紹介しましたが、似たような課題を持つ場面でもDaaSは有効な選択肢となります。例えば集合研修時の環境など、必要なリソースが一時的に増減するような場合、端末の手配や設定、受け渡しの面でメリットを享受することができます。
大学でのPC教室をDaaS化した事例もありますので、こちらもご覧ください。

東京理科大学様事例

ここまでお読みいただいても、自社にとって最適な方法は何か、既存の環境とどう連携できるのかといった様々な課題がまだ残っているかと思います。
日鉄ソリューションズは合計10万ユーザを超えるDaaS/VDIの実績があり、総合的な知見を持っています。実際に開発環境向けにもDaaSを構築・運用しており、それらのノウハウを生かして構築前の検討から運用までをトータルでサポートいたします。現在の環境からどのようなステップで導入すれば良いか分からない、そもそも何から取り組めば良いか分からない、などお悩みのお客様はぜひ一度ご相談ください。