Microsoftが2021年10月にWindows 11を一般公開しました。本リリースで"Windows 10でメジャーバージョンアップがなくなる"と想定していた企業にとっては想定外の内容であり、多くの企業では端末管理の計画の⾒直しを迫られているのではないでしょうか?OSのメジャーバージョンアップによる煩雑な作業や準備に強いられて、大変な思いをする運用者は少なくないでしょう。さらに、今回のWindows 11の場合、これまでのWindows 10と比べてシステム要件が厳しくなっており、システム要件を満たせない場合は新しい端末の買い替えといった対処も必要になります。Windows 11の特徴を押さえたうえで、端末のあるべき姿を改めて考え直してみませんか。
まず、Windows 11の変更点を具体的に見ていきましょう。
Windows 10とWindows 11のシステム要件の違いは以下になります。ハードウェアスペックでのポイントは32ビット版のサポート終了ではないでしょうか?まだ企業内には32ビットで動いているシステムも多数あると思いますので、システム改修がWindows 11移行の大きなハードルになると想定されます。
セキュリティ要件のポイントとしては暗号化キーを作成・保存する「TPM2.0」(Trusted Platform Module)が必須となりました。TPMは暗号化で利用する鍵を安全な場所で管理するための仕組みとなり、PCの起動プロセスを保護し、パスワードをはじめとする重要な認証情報を保護する機能となります。
機能アップデートへの対応に苦労していた企業にとって朗報ですが、MicrosoftはWindows 11をリリースしてから、それまで年に2回実施していた機能アップデートを年1回に変更しました。これに併せて、MicrosoftはWindows 10の機能アップデートも年1回に変更しました。
Windows 11の変更点に合わせて、Windows 11へのアップデートで課題となるポイントをまとめてみました。
社内システムで32ビットのシステムを改修する必要があります。
まだ使えるパソコンを処分・破棄するのはもったいないですよね。特に最近は企業もSDGsの視点としての対応を求められることに加え、半導体不足等での納期遅延や購入価格の上昇など、可能な限り既存のPCを使い続けたいのが実情です。
Windows 11の機能アップデートの頻度に合わせて、サポート期間内に運用可能なロードマップの見直しが必要ですね。Gartnerの調査※によると"日本企業の34.1%は、サポート期間内のWindows 10の機能アップデートに対応できておらず、サポート切れを起こしている。"とあります。
上述のようにWindows 11へのアップデートをするためには、担当者にとっていくつか悩ましい課題があります。また、コロナ禍によりPCを利用する環境が大きく変わり、社外での利用が中心になってきました。最近は、物理PC以外にも、仮想デスクトップ・インフラストラクチャ(VDI)やサービスとしてのデスクトップ(DaaS)、クライアント・クラウドなど、様々なタイプがあります。Windows 11へのアップデート検討のタイミングで、物理PCに捉われず、エンドユーザー環境を考えてみてはどうでしょうか?
日鉄ソリューションズは合計10万ユーザーを超えるDaaS/VDIの実績があり、総合的な知見を持っています。DaaS/VDIの構築・運用ノウハウを生かして構築前の検討から運用までをトータルでサポートいたします。事例ページでは導入の背景や効果についてご紹介しておりますので、こちらも是非ご覧ください。
※出典:Gartner®「企業はWindows 11にどう取り組むか:5つのトレンドと推奨事項」, Eri Hariu, 2022年10月19日
根拠:Gartnerは2022年4月、日本国内の従業員数500人以上の組織を対象にユーザー調査を実施した。本調査の目的は、日本における企業・組織のさまざまなITのニーズや課題を分析することである。回答者には、ITインフラストラクチャ領域における製品、ソリューション、サービスの導入や選定に際して決裁権がある、または関与している役職、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与している役職を想定している。本調査の有効回答数は309件であった。回答企業の内訳は、従業員数1万人以上:60社、5,000~9,999人:47社、2,000~4,999人:64社、1,000~1,999人:70社、500~999人:68社であった。