皆さん、こんにちは。ITサービス&エンジニアリング事業本部(以下、ITS&E)クラウドプラットフォーム事業部の五味 なぎさです。今回初めて私のブログを読んでくださる方に向けて、自己紹介をさせていただきます。私が所属する部署はクラウドサービス事業の拡大をミッションとしており、当社が提供するマネージドクラウドサービスabsonne(アブソンヌ)の企画・運営・提案・導入や、Amazon Web Services(以下、AWS)、Microsoft Azure(以下、Azure)、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)等のパブリッククラウドサービスを利用したシステムの提案・設計・導入を推進しています。皆様がクラウドをより深く活用するためのノウハウを定期的に発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。なお、これまで掲載された、5分でわかる、AWS Well-Architected Frameworkの要点やAWSにおけるIPv6対応の基礎に関するブログも、ご興味があればぜひ読んでみてください!
今回から複数回にわたり「パブリッククラウドへの移行」をテーマにブログをお届けします。初回は、パブリッククラウド全般に共通する移行の基礎と、移行先を選ぶときのポイントについてです。今さら人には聞けない基礎から解説していますので、この機会にぜひ復習してみてください。
市場ニーズを早急に捉えシステムに反映していく必要性が高まっている昨今、下記メリットから、パブリッククラウド移行の需要が高まっています。
一方デメリットとしては、原則としてクラウドサービス側の仕様に則る対応となるため、利用者側でサービス仕様に合わせた設計・運用を行う必要がある点が挙げられます。
移行パターンとしては、大きく以下の3つが挙げられます。
※合わせて一部のアプリケーションをSaaSサービス等に移行するリパーチェス(Repurchase)を検討することもあります。
クラウド移行のパターン
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参考:移行戦略(7R)の概要
一般的にリファクタ→リプラットフォーム→リホストの順にパブリッククラウド利用のメリットは享受しやすくなりますが、反対にアプリケーションやアーキテクチャの変更規模が大きくなり、移行のハードルも上がります。そのため、移行の目的や移行により得られるメリットを考えた上で、どのパターンを採用するか検討する必要があります。
クラウド移行先を選ぶときに気をつけるポイントとしては以下が挙げられます。
「移行メリット」で記載した通り、クラウドを利用する場合はサービス側のサービス仕様に則った対応となるため、例えば企業のセキュリティ基準やシステムの可用性の基準、BCP対応の基準、等を満たすことができるかが重要な確認点となります。
クラウドサービスによって移行の際に取れる手段が異なる場合があるため、移行経路、移行ツール提供の有無、どのような移行手段が取れるか等を移行要件と併せて確認する必要があります。移行要件には、例えば下記のような観点があります。
利用している製品やシステムの特徴により、適するクラウドが変わってくる、もしくは利用可能なクラウドが絞られることがあります。例えばWindows Server等、Microsoft製品を中心に利用しているシステムの場合はAzureが適する、Oracle RAC(Real Applications Clusters)を利用したい場合にはOCIを選択することになる等です。利用目的や使い方と合わせてどのクラウドを利用するかの検討が必要です。
ではここで、米国メガクラウド4社(AWS、Azure、Google Cloud、OCI)について、上記3つのポイントからそれぞれの特徴を比較してみましょう(2024/6/7現在)。移行要件などによって適材適所で使い分けられるように、しっかり確認してみてください。
米国メガクラウド4社の特徴に関する比較表
1.サービス仕様への準拠
2.オンプレミスからの移行性
※AWS Migration HubAWS Application Migration Service(MGN)等
※Azure Migration
※Migrate to Virtual MachinesDatabase Migration Service 等
※1Oracle Cloud Migrations
※2Zero Downtime Migration
3.利用製品やシステムの特徴との親和性
今回は、パブリッククラウド全般に共通する移行の基礎と移行先を選ぶときのポイントについてご紹介しました。パブリッククラウド移行の需要が高まっている今だからこそ、まずは基礎からしっかりおさらいしていきましょう。なお、当社ではAWS包括的技術支援サービスを提供しています。AWSへの移行でお悩みございましたらぜひ本サービスもご活用ください。その他、AWSをはじめマルチクラウド化に関するご相談全般はこちらからお気軽にお声がけください!