アプリケーション仮想化が必要な背景と特徴 | 仮想デスクトップ(DaaS | VDI)

アプリケーション仮想化が必要な背景と特徴 | 仮想デスクトップ(DaaS | VDI)

アプリケーション仮想化の技術は以前から活用されており、コラムで紹介した「標的型メール攻撃への対策」や「Internet Explorerのサポートポリシーの変更」を検討・導入する上では欠かせない仕組みとなっています。今回のコラムではこの『アプリケーション仮想化』を掘り下げて解説していきます。

アプリケーション仮想化の特長

アプリケーション仮想化とは、アプリケーションの動作する画面をユーザに配信する仕組みです。仮想デスクトップとアプリケーション仮想化はほぼ同じ技術が用いられており、仮想デスクトップでは「デスクトップ全体を画面配信」しますが、アプリケーション仮想化では「デスクトップ上で動くアプリケーションのみを画面配信」するという特長があります。

アプリケーション仮想化の特長

アプリケーション仮想化のニーズの背景

アプリケーション仮想化の技術は20年以上前から存在しており、MetaFrameやCitrix Presentation Serverという名称で多くの企業で利用されてきました。
企業の場合は、数百、数千台のパソコンを管理しており、部署や組織によって端末の種別や導入するアプリケーションも変わってくるので、アプリケーション管理は非常に煩雑です。

これに対し、アプリケーション仮想化の『ユーザが利用するデスクトップ環境とアプリケーションが動作する環境を分離できる』という特長を活かすことで、下表に示すような “アプリケーション管理の課題”を解決することができるのです。

表1 アプリケーション仮想化で解決する“アプリケーション管理の課題”

アプリケーション管理の課題 仮想化していないパソコン上で動かしているアプリケーション アプリケーション仮想化をしたアプリケーション
1 アプリケーションのインストール アプリケーションの種類に応じて個別にインストールする アプリケーション仮想化用のモジュールのみインストールする
2 アプリケーションのメンテナンス アプリケーションの種類に応じて個別にメンテナンスする アプリケーション仮想化サーバのみメンテナンスする
3 端末OSの動作環境の差異(Verや.dllレベル)による動作確認やサポート パソコンごとに仕様を確認し、動作確認とサポート体制を整える アプリケーション仮想化サーバごとの差異はないため、動作確認やサポートを簡素化できる
4 OSのアップデート時の動作確認 パソコンの種類に応じて個別に動作確認し、必要に応じて改修する アプリケーション仮想化サーバのみを動作確認し、改修する
5 共存するアプリケーション間の整合性の確認 パソコンの種類に応じて個別に整合性確認する アプリケーション仮想化サーバのみを整合性確認する
6 セキュリティ対策 パソコンのセキュリティホールを悪用される可能性がある パソコンからは直接アプリケーションにアクセスできない
7 Windows以外のOSでのWindowsアプリケーションの動作 タブレットやスマートフォンからは利用不可 タブレットやスマートフォンからも利用可能

最近では、スマートデバイスでの業務システム利用やBYODの活用などによりクライアント環境が多様化しており、『ユーザの利用するデスクトップ環境とアプリケーションの動作する環境を分離できる』という特長は非常に有効なソリューションです。

今回のコラムはここまでです。次回コラムでは、アプリケーション仮想化の具体的な活用方法として、Webブラウザや業務システムをどのような目的でアプリケーションを仮想化しているのか?を導入事例で解説したいと思います。

日鉄ソリューションズ株式会社
ITインフラソリューション事業本部
ITサービスソリューション事業部
M³DaaS推進部
杉浦 寛

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