アプリケーション仮想化の技術は以前から活用されており、コラムで紹介した「標的型メール攻撃への対策」や「Internet Explorerのサポートポリシーの変更」を検討・導入する上では欠かせない仕組みとなっています。今回のコラムではこの『アプリケーション仮想化』を掘り下げて解説していきます。
アプリケーション仮想化とは、アプリケーションの動作する画面をユーザに配信する仕組みです。仮想デスクトップとアプリケーション仮想化はほぼ同じ技術が用いられており、仮想デスクトップでは「デスクトップ全体を画面配信」しますが、アプリケーション仮想化では「デスクトップ上で動くアプリケーションのみを画面配信」するという特長があります。
アプリケーション仮想化の技術は20年以上前から存在しており、MetaFrameやCitrix Presentation Serverという名称で多くの企業で利用されてきました。企業の場合は、数百、数千台のパソコンを管理しており、部署や組織によって端末の種別や導入するアプリケーションも変わってくるので、アプリケーション管理は非常に煩雑です。
これに対し、アプリケーション仮想化の『ユーザが利用するデスクトップ環境とアプリケーションが動作する環境を分離できる』という特長を活かすことで、下表に示すような “アプリケーション管理の課題”を解決することができるのです。
表1 アプリケーション仮想化で解決する“アプリケーション管理の課題”
最近では、スマートデバイスでの業務システム利用やBYODの活用などによりクライアント環境が多様化しており、『ユーザの利用するデスクトップ環境とアプリケーションの動作する環境を分離できる』という特長は非常に有効なソリューションです。
今回のコラムはここまでです。次回コラムでは、アプリケーション仮想化の具体的な活用方法として、Webブラウザや業務システムをどのような目的でアプリケーションを仮想化しているのか?を導入事例で解説したいと思います。
日鉄ソリューションズ株式会社ITインフラソリューション事業本部ITサービスソリューション事業部M³DaaS推進部杉浦 寛
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