PC端末更改で候補から外すなんてもったいない!Windows 11化対応でVDIを選ぶ理由

2024.03.07
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PC端末更改で候補から外すなんてもったいない!Windows 11化対応でVDIを選ぶ理由

Windows 11化対応がPC端末を見直す契機に

Windows 10のサポート終了日である2025年10月14日が迫ってきており、多くの企業においては本格的にWindows 11化対応を検討しているのではないでしょうか。ご存知の方も多いかと思いますが、Windows 10とWindows 11とでは、ハードスペック面・セキュリティ面のシステム要件が大きく変わっています。(変更点について詳細を知りたい方は、当ブログの記事「Windows 11のリリースから考える物理端末のあるべき姿の再考」をご覧ください。)このため、現在利用されている端末ではWindows 11のシステム要件が満たせず、物理端末を買い直す必要があるかもしれません。

必要性に駆られて実施する端末の買い直しですが、改めて端末や端末管理の仕組みを見直すことは、各企業にとって最適なOA環境を実現するためのチャンスにもなります。最適なOA環境の実現にあたり、考えるべき要素は多々ありますが、どの企業でも無視できない要素として挙げられるのは『セキュリティ』です。働く場所が社内に限られない昨今、旧来のシステムではどうしてもセキュリティに不安が出てきます。そのため、高いセキュリティを保ちながら、『どこでも快適に端末を利用する仕組み』が求められています。

本記事では、そのような仕組みの中から特に『VDI』をピックアップしてご紹介します。読者の皆様の中には、これからVDI導入を検討する方、VDI導入済みで更改するか検討中の方、VDIを導入したことがあるがFAT端末に回帰した方など様々と思います。本記事の内容は、最適なOA環境を検討する上でどのお客様にも有益な情報となりますので、ぜひ最後までご覧ください。

Windows 11化とVDI

冒頭でもお話しした通り、Windows 10とWindows 11とでは、ハードスペック面・セキュリティ面のシステム要件が変わっています。その中でも、Windows 11化を考える上で最も影響が大きい変更は、『TPM 2.0が必須』となった点です。この変更により、TPMを搭載していないFAT端末では、Windows 10からWindows 11へのアップグレードができなくなりました。その結果、Windows 11化に際して、物理端末を買い直さなければならなくなった、というケースが多々生じます。一方、VDIではこの変更があまり問題になりません。仮想化環境においては、仮想的なTPM(vTPM)が利用でき、物理的なTPMを必要としないからです。そのため、従来通りの物理サーバの構成のままでも問題なく、Windows 11が搭載された仮想端末が利用可能な環境を構築できます。つまり、現在Windows 10のVDI環境を利用中であれば、vTPMを付与した仮想端末を準備するだけで、Windows 11を利用できるようになる、ということです。

また、Windows 11化対応する場合の運用管理者の負荷を考えた際も、VDIに優位性があります。FAT端末利用の場合、『各拠点にある物理端末の回収』『新規物理端末のキッティング』『キッティング済み端末の各ユーザへの展開』などの作業が必要となるため、どうしても運用管理者の負荷が高くなります。一方、VDIにおいて、Windows 11化の対象はあくまで仮想化環境であり、VDIへの接続元物理端末で必須となる作業は接続用アプリケーションの更新程度です。そのため、状況によっては、仮想化環境だけ更改し、物理端末は現在利用中の端末をそのまま利用し続ける、ということも可能です。もちろん、そもそも現在利用中の端末が利用できなくなるため物理端末自体の買い直しも必須、というケースも多いかと思います。その場合でも、VDIであればシンクライアントやゼロクライアントなどの個別キッティングが不要な端末を利用できるため、端末買い直しに際しての負荷は確実に下がります。従って、VDI導入によりWindows 11化対応する際の運用管理者の負荷を減らすことができると言えます。

VDIを選ぶ理由

当ブログの記事「仮想デスクトップのメリット | 仮想デスクトップ(DaaS | VDI)」でも紹介していますが、OA環境をVDIにするメリットは数多くあります。もちろん、これらのメリットはWindows 11化してからも、これまで通り享受できます。本記事では、過去記事に書いていないものも含めてご説明しますので、既にいくつかのメリットをご存知の方も、改めてご確認いただければと思います。

セキュリティと利便性の両立

まず、VDIのメリットとして筆頭に挙げられるのは、高いセキュリティです。VDIはサーバ側でOS・アプリケーションが動作し、その画面のみがエンドユーザのローカル端末に転送される仕組みのため、ローカル端末側にデータを保持せず、端末紛失・盗難時もデータは漏洩しません。Afterコロナで飲み会が増え、端末紛失リスクが改めて顕在化してきている企業も多いかと思いますが、VDIなら心配ありません。また、このような仕組みである以上、画面転送できるネットワーク環境さえ整っていれば、どのような環境・端末からでも同じ仮想デスクトップを利用できます。これもVDIの大きなメリットの一つです。働く場所が社内に限られない昨今、高いセキュリティを保ちながら、どこでも快適に端末を利用する仕組みが求められていますが、VDIであれば両立することが可能です。

ガバナンス強化と運用管理性の向上

ガバナンスの強化や運用管理負荷の低減は、特に端末台数の多いエンタープライズ企業で注目されやすいポイントです。VDIでは、マスタとなる仮想マシンにアプリケーションの導入、OSのアップデートなどの更新作業を行い、そのマシンをベースに仮想デスクトップを再展開することで、仮想デスクトップの状態を一括更新できます。つまり、VDIを利用すると、アプリケーションやOSを容易に統一管理できるようになります。Windows 11においても、Windows 10と同様にFeature Updateの定期的な適用が必要となりますが、この適用作業が容易に行えるようになる、という点はVDIの大きなメリットです。加えて、管理者が管理コンソール経由で仮想デスクトップを運用管理することができるため、リモートからトラブル対応できる点も、運用管理面での魅力の一つです。

まだまだある!FATにはないVDIのメリット

VDIのメリットはこれだけではありません。

  • 画面転送さえできれば良いので比較的低スペックな端末からでも利用可能
  • 画面転送用のアプリケーションさえ導入すれば利用できるため容易にBYODを実現できる
  • スピーディな端末準備が可能となるため副業者・フリーランスの新規採用などで需要が急増した場合もすぐに端末を準備できる

など、上記の他にも様々なメリットがあるのですが、今回はここまでとさせていただきます。

VDI導入による様々なメリット

高いセキュリティ

高いセキュリティ

ローカル端末にデータを保持しないため、端末紛失・盗難時もデータは漏洩しません。

ガバナンス強化

ガバナンス強化

アプリ導入やOSアップデートなど、統一管理できます。

環境・端末に非依存

環境・端末に非依存

どんな環境でも、どんな端末からでも、仮想デスクトップを利用できます。

トラブルもリモートで対応

トラブルもリモートで対応

仮想デスクトップ利用で問題が起きても、運用管理者がリモートから対応できます。

低スペック端末でも利用可

低スペック端末でも利用可

リモート端末を画面転送で利用する仕組みのため、比較的低スペックな端末からでも利用できます。

BYODが容易

BYODが容易

画面転送用のアプリケーションさえ導入すれば利用できるため、容易にBYODを実現できます。

スピーディな端末準備

スピーディな端末準備

副業者・フリーランスの新規採用などにより、需要が急増した場合もすぐに準備できます。

まとめ

Windows 11への移行を機に、端末の買い替えを考える企業は多いです。しかし、それは単に新しいOSに対応するためだけではなく、働き方の変化に対応し、セキュリティを強化する絶好の機会でもあります。その一つの解として、VDIは導入を検討する価値があります。かつては性能問題やWeb会議対応が課題とされていましたが、現在ではこれらの問題も改善されており、『より強固なセキュリティ』『環境に依存しない柔軟な働き方』『強化されたガバナンス』といったメリットを享受できるソリューションです。今回のWindows11化対応は、企業のIT環境を大きく進化させるチャンスです。その選択肢の一つとして、ぜひVDIの導入をご検討ください。

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