デスクトップの仮想化を目指すにあたり、もっとも検討が必要な要素のひとつは、サイジングだ。
なぜなら、こちらの記事(VDIトラブルどう対処する?)でも紹介している通り、サイジングのミスマッチは、DaaS/VDI(仮想デスクトップ)の動作が遅くなるなどのトラブルが発生する原因となるからだ。
ただ、最適なサイジングを導き出すのはなかなか難しい。
各ユーザーがシステムにどれだけの負荷をかけるかを机上だけで予測するのは困難であるし、それらをはっきりさせたとしても、予期せずサーバーへのアクセスが集中してしまう時間帯なども出てくるだろう。
DaaS/VDIを快適に使いこなすため、どのような観点からサイジングを見て行けばいいのか。
基礎知識として知っておきたいのは、「サイジングの一般的な指標」だろう。
例えばVMwareなどのメーカーが提示しているサイジングの指標をベースにして考えていくのは間違いではない。 一般的なサイジングの指標としては以下のようなものが挙げられ、こうした中から自社のVDIに必要なものを選んでチェックしていくことになる。
ただし、こうした指標の「一般的な数値」に盲目的に頼りすぎてしまうと、ミスマッチが起きる可能性がある。
本気でサイジングに取り組むなら、ユーザーが現在使っているPCに測定ツールを導入し、どんな作業のときにどれほどの負荷をかけているか、もっとも負荷をかける時間帯はいつか、などを洗い出していくべきだ。
会社全体でCPUやメモリなどのリソースをどの程度用意すればいいのかを割り出せば、DaaS/VDIの導入後にもサイジングのミスマッチはほぼ起こらないだろうし、不要なランニングコストにつながるオーバーサイジングも防げる。
物理的なPCでは少し高めのスペックを用意しておくことも多いが、それは導入後の機能追加やハードウェアの更新などに備えた措置であり、導入から数年後も稼働させるためだ。一方のDaaS/VDIでは、まず基準値のリソースを割り当てておき、機能追加などで負荷が高くなるようならリソースを追加していく、という方法が一般的だ。
なお、デスクトップの仮想化にあたってDaaSを採用すれば、サイジングについての調査をITベンダーに任せることができるし、リソースの追加も細かく相談できる。