昨今、OA環境にはセキュリティ、端末管理、運用・資産管理など様々な要件が求められます。働き方の多様化に対応すべく、そのOA環境を実現する選択肢として、DaaS/VDIは多くの企業に検討・採用されるようになりました。ITRレポート※1を元に計算すると、この10年でDaaS市場が11.5倍に拡大しており、その利用は拡大傾向にあります。
DaaS/VDIの一番の特徴は、画面転送方式であることが挙げられ、端末にデータを置かなくてよく、セキュリティ面で非常に強いという点があります。端末紛失等による情報漏洩リスクの心配が一切なく、セキュリティ面を強力にサポートするソリューションとしてそのメリットを享受できます。2020年からのコロナ禍において、リモートワークを許可する企業が増えたことで、外部ネットワーク経由でウイルス感染した端末による社内ネットワークへの被害なども報告され、情報セキュリティ10大脅威の調査結果※2においても、「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」が第5位として挙がっています。
出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威」
このような脅威に関する対策としてDaaS/VDIは有効な手段ですが、以下のようなキーワードで検討するお客様も増えてきたように感じます。
今後は、セキュリティを守りつつ、ユーザビリティ向上をはじめとした時代の流れに則した対応が求められます。今回は、改めてDaaS・VDIの価値を整理するとともに、様々な活用方法をご紹介していきます。
冒頭申し上げたセキュリティ面でメリットを発揮するDaaS/VDIの価値について改めて整理すると3つの側面での強みがあります。
1番の強みはやはりセキュリティ面にあります。画面転送方式というアーキテクチャのため手元の端末にはデータが一切残らず、データ漏洩に関する心配がありません。多様な働き方を受け入れ、端末がさらされるあらゆるリスクから守るためには、端末上にデータを残さない、残させないという仕組みは有効な手段になります。
ユーザビリティに関する強みとしては、手元の端末が壊れても業務再開が可能になる点や、BYODでもセキュアに業務が可能になる点が挙げられます。
DaaS/VDIではデータセンターに配置された仮想マシンは手元の物理端末の影響を受けないため、一時的な退席時や端末故障時においても、直前の段階からすぐに業務再開が可能になります。端末の電池が切れてしまった!といった時でも、シンクライアント端末を一時的に借りて業務をして返却するといったことで対処可能です。
BYODとは、Bring Your Own Deviceの略称でユーザの私物端末の業務利用のことを指します。DaaS/VDIの技術に注目され始めた2010年頃から概念としてはありましたが、当時は、リモートワークや多様な働き方といったキーワードはなかったため普及に至りませんでした。しかし今では、働き方改革、副業解禁、パンデミックをきっかけに、業務端末の選択肢として再び注目されるようになりました。実際に、BYODでの業務を強く希望するユーザによってDaaSを採用するお客様もいます。
最後に運用面での強みになります。仮想マシンの展開のみのため、1,000のオーダーを1日で展開することが可能になっています。物理端末を数千台展開する場合は相当な日数を要するため、そのための人員確保が必要になってきます。仮想デスクトップに接続するためのシンクライアント端末に関しては、共通的な設定で事足りますし、BYODを利用するのであれば設定自体はユーザに一任することが可能です。
さらに、近年WindowsのサービスチャネルがSAC(Semi-Annual Channel、半期チャネル)からGAC(General Availability Channel、一般提供チャネル)に変更になりましたが、年1回のFU(Feature Update)適用をしてサポート期限を伸ばしていく必要があります。また、リリース直後の2021年では様子見されていたWindows 11についても、Windows 10のサポート終了を見据え、Windows 11への移行も活況になってくると予想されます。この数千台規模の移行もDaaS/VDIの場合は、最短で夜間1日で可能です。当社では、約1,000台のWindows 7からWindows 10への移行を1日で終わらせた実績もございます。ユーザから見ると、前日の終業時はWindows 7だったものが朝来たらWindows 10になっていた、といったことが可能です。このように運用側で再展開できるDaaS/VDIは、端末管理の負荷を軽減することにつながります。
改めて、DaaS/VDIの価値について述べてきましたが、最新の活用事情として様々な活用方式が挙げられます。それぞれ順に説明していきます。
DaaS/VDIの価値を最大限活用する方法として挙げられます。先ほども述べたように、データ漏洩の心配をせずに、いつでもどこでも同じ環境で仕事が可能です。ユーザから見ても情報漏洩リスクを一切考えなくてよく、管理者の視点でも、ユーザの端末紛失リスクへの対策を検討しなくてよい、というメリットを受けつつ、一つの心配事が減った中で、どこでも同じ環境でパタッとPCを閉じても、閉じる前のタイミングから再開可能になります。
また、今後は副業解禁も相まって、人材活用としてフリーランスの活用も盛んになってくると思われます。自分の好きな端末を使いたいフリーランス人材向けに、BYODを活用し、クライアントソフト導入を依頼するだけでセキュアな環境を提供することができます。
アプリケーション開発における環境準備に悩みを抱えている方は多くいらっしゃると思います。物理的な端末の手配や、セキュリティ対策の実現、その管理など検討すべき項目が多くあり、それだけでも大変な中、昨今の半導体不足の影響により端末調達が難しくなるといった事情も存在します。その課題を解決するための方法は、以下にまとめております。開発用端末の管理や手配を解決する手段としてご活用ください。
アプリケーションの開発環境だけでなく、同様の課題を持つ場面でDaaSは有効な選択肢となります。例えば、教育機関や集合研修時の環境など、必要なリソースが一時的に増減するような場合は、端末の手配や設定、受け渡しの面でメリットを享受することができます。
事例として、東京理科大様では、大学のDXを推進する中で、BYOD(私物端末)の活用を選択されました。将来的にはPC教室を廃止し、空き教室の有効活用も検討していらっしゃいます。ぜひこちらについてもご参考ください。
今回は、ニューノーマルな働き方が求められる変化の時代においても、DaaS/VDIの変わらない価値と今の時代に合わせた活用方法をご紹介してきました。NSSOLは、DaaS市場において数年にわたって業界No.1※3としてリードし、多くの企業様でのご利用、延べ数万のエンドユーザ様にその価値を提供してきました。様々な活用事例を含めて、下記より詳細をご紹介しておりますので、ぜひご確認ください。