デスクトップの仮想化を検討する際、やはり気になるのがランニングコスト。 自社のITチームで運用し、経費を抑えられるものなら、それに越したことはないと考える人もいるだろう。
しかし、実際にVDIを自社で運用するために越えなければならないハードルは高い。ゼロベースの状態から自社運用までたどり着くのにかかる時間や人的リソースを考慮すれば、アウトソースするほうが無難である。
VDI運用をアウトソースすべき理由を3つ、挙げてみよう。
デスクトップを仮想化するためのテクノロジーは、思いの外複雑だ。 仮想デスクトップは、それを稼働させるための仮想環境と、仮想環境を管理するサーバー、セッション管理サーバー、仮想デスクトップ管理サーバー、そして仮想デスクトップのデータを格納するデータストアなど、いくつものコンポーネントで構成されている。こうした一連のコンポーネントの設計構築には、ITのインフラ基盤のほぼすべての要素が必要とされる。また、運用にあたっても、システムに対する広い知識がないと難しい。
その①ともやや関連した話であるが、VDIの運用にあたっては、専門家がひとりいれば事足りるということにはならない。ネットワーク、サーバー、ストレージ、ミドルウェア、その他VDIを構築している製品......。それぞれの領域の専門家がいなければ円滑な運用は難しい。
IT業界は今後、さらなる人材不足になると予想されている中で、そうした人材を揃え、チームを作るだけでかなりの労力が必要となるだろう。育成するとしても、それに必要な時間やコストを考えれば、運用のためだけに専属チームを育てるという選択肢は現実的ではない。
VDIを構成するソフトウェアはいくつもあり、それぞれがコンスタントにバージョンアップを繰り返している。それだけでなく、その上で動くアプリケーションについても、新たなバージョンのVDIで動くかという検証も必要になる。それらを怠れば、システムの不具合が起きる可能性もある。また、VDIが正常に機能している時はいいが、動きが遅くなったりした際に、その原因を特定するための調査にはかなりの工数がかかり、時間と労力を費やすことになる。
以上のようなことから、VDIの運用は、その価値をフルに引き出すためにも、「専門家集団」である外部のベンダーなどに任せた方がよいといえるだろう。