企業のIT組織が抱える泥臭い悩みにも配慮しながらIT組織変革を支援するサービスとして、日鉄ソリューションズ(NSSOL)はIT組織トランスフォーメーション支援サービス「NSTranS(エヌエストランス)」を提供している。このサービスは、IT組織変革の計画立案から施策の実行までを幅広く支援している。今回はソリューションを利用したIT組織変革の進め方を、成功事例を交えながら紹介する。
IT組織変革の入口になるのは、変革の方向性を決めることだ。NSTranSでは、まずIT組織変革に関するお悩みをヒアリングする。このヒアリングでは「IT組織の役割の整理」「IT組織変革に向けた施策の方向性」「IT組織変革の事例紹介」「NSSOLからの支援提案」という4つのテーマに分けてディスカッションする中でIT組織変革の方向性を見出していく。
例えば「IT組織の役割の整理」というテーマでは、「現状でどのような役割を果たし、将来はどのような役割を果たせるようになりたいか」「将来の役割を果たすIT組織変革の過程で何を重視しているのか」といった内容について話し合い、将来に向けた施策実行の時間軸やIT組織変革の計画を検討・報告するマイルストーンを検討する。
また「IT組織変革に向けた施策の方向性」というテーマでは、「IT組織変革に向けた施策の方向性として、お客様が持っている(望んでいる)仮説は何か」「施策を実施するにあたり、外部へ求める支援は何か」といったことを詰めていく。さらに必要があれば、今後の施策の進め方についての提案をNSSOLから受けられる。
一歩先に進んで、具体的な計画立案を支援するためのコンサルティングも可能だ。このコンサルティングではIT組織変革の背景の整理、IT組織の現状の調査を実施した上でIT組織の将来像を描き、そこに至るまでのロードマップ策定までを、お客様とともに描いていく。
コンサルティングファームやITベンダーが提供する同様のサービスと異なり、NSTranSは単純な理想像を示すだけでなく、お客様が思い描くIT組織の将来像を尊重しながら、IT組織変革を支援している。
すでにNSTranSによりIT組織を変革し、IT部門の役割を増やしている導入事例も豊富にある。
自動車部品メーカーのA社では、IT組織の役割として「業務改革のドライブ」の強化を掲げた。それとともに、IT戦略策定やIT企画といったコアIT業務を担う人材の増強を目的とするIT組織変革にも取り組んだ。具体的な施策としてIT運用保守業務をNSSOLへ移管し、その業務を担当していた人材をコアIT業務の担当へとシフトした。この結果、業務の見える化やサービスレベルの向上、属人性を排除した標準化の実現といった効果が得られたという。
精密機器メーカーのB社では、「ITリスクのコントロール」と「IT戦略の策定と実行」を強化するためにNSTranSを活用した。IT運用保守業務をNSSOLへ移管して、従来の担当者の業務を、IT戦略策定とセキュリティ管理へシフトさせた。その結果、コストの最適化を実現し、システムの標準化とBCP対策の強化につながったという。
このほかにも、グローバルのグループ拠点にITガバナンスを効かせることを目指した企業や、ITによる直接事業貢献の強化につなげた企業などの事例がある。いずれの事例もIT組織変革により役割を増やすことをゴールに設定し、具体的な施策を総合的に組み合わせて推進したという共通点がある。
なお、NSSOLではIT運用保守業務の外部委託といった施策に応えるために、ITアウトソーシングサービス「NSFITOS(エヌエスフィットス)」などのサービスも提供している。こうした包括的なソリューションを用意しているところが、NSSOLの大きな強みと言えるだろう。