自動車用部品の防振ゴムで世界トップクラスのシェア(同社調べ)を誇る住友理工株式会社(以下、住友理工)は、保守期限切れを迎える共通ファイルサーバと統合バックアップサーバを刷新。新共通ファイルサーバには、Dell Technologies社のスケールアウト型NAS(ネットワークアタッチドストレージ)製品であるPowerScaleを導入した。また、遠隔地バックアップ先としてAWSを初採用。AWS環境への移行にあたっては、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が環境設計からデータ移行作業まで包括的に支援し、6カ月に渡るプロジェクトを完遂した。
住友理工では、共通ファイルサーバと統合バックアップサーバをオンプレミス環境で運用していたが、小牧本社の従業員3,000名以上が利用するため、データ容量増加に伴う機器追加や機器更新時のデータ移行作業で運用現場に高い業務負荷がかかっていた。また、国内の各業務拠点に分散する各バックアップデータの管理も煩雑であったことから、業務効率の向上を見据えて、データの遠隔地バックアップ先としてクラウドの活用を決めた。
新共通ファイルサーバとして採用したPowerScaleは、従来のストレージ製品が抱えていた拡張性や管理の複雑さ、可用性といった課題を一挙に解決。特にデータの自動バランシング機能により、保存データを全ノードに分散配置することから、作業負荷の高かったデータ移行作業を今後は割愛できる点が評価され、今回の導入に至った。
その他の特長は下記の通り。
また、遠隔地バックアップ先としては、NSSOLの豊富なAWS知見に裏打ちされたインフラ技術支援力が評価されAWSを初採用。Windowsと親和性の高いAmazon FSx for Windows File Serverを導入した。具体的には、Windowsファイルサーバー関連の機能を継続して使用できる点や、セキュリティが担保されている点で優れている。なお、FSxに格納されたデータをAWS Backupによって二次バックアップすることで、データの可用性も担保する構成とした。AWS上にFSxの領域を構築するだけではなく、AWSアカウントの新規作成からAWSリソースに対する運用管理まで、NSSOLが一貫して設計・実装した。なおPowerScaleとの同期にあたっては、回線容量のひっ迫を回避するべく帯域制御をかけながら差分同期作業を実施。AWS DataSyncを用いて同期し、全6カ月のプロジェクトを遅滞なく進行した。
この度のAWS導入を皮切りとして、住友理工におけるAWSの利活用促進が見込まれる。「自動車(モビリティ)」「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった複数領域にまたがって国内外の製造業を支える住友理工では、タイムリーかつ継続的な素材供給に向けて外部環境に左右されないレジリエンスの高い業務環境の構築が求められている。遠隔地バックアップ先にAWSを活用したことでBCP対策のより一層の強化にも注力する展望だ。なおNSSOLでは、AWSのコスト最適化に向けた継続的な取組みを提案しており、今後もお客様環境の更なる改善に向けて伴走していく。
※制作当時の社名を記載しております。
当社のウェブサイトは、利便性及び品質の維持・向上を目的に、クッキーを使用しております。当社のクッキー使用については下記リンクからご参照いただき、クッキーの使用にご同意頂ける場合は「同意する」ボタンを押してください。同意いただけない場合は、ブラウザのクッキーの設定を無効化してください。
クッキーの使用について